集客には必要不可欠?ECサイト運営にSNSを活用するメリット|活用方法も解説
最近ではECサイトを運営する企業やブランドがSNSの公式アカウントを開設し、集客するケースも増えてきました。
企業が運営するSNSアカウントは個人アカウントとは異なり、集客や売上につなげるという目的があります。
とはいえ、「SNSで何をすれば良いのかわからない」「効果がでやすいSNSの活用方法を知りたい」という方も多いと思います。
そこで今回は、ECサイト運営にSNSを活用するメリットやデメリット、具体的な活用方法を紹介します。
目次
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ECサイト運営にSNSを活用すべき理由
SNSは今や幅広い年齢層が利用するツールとなっており、多くの人の日常生活に溶け込んでいます。
2021年に総務省が発表した調査データによると、2019年と比べて全年齢で利用者は増加。とくに19歳以下と60歳以上での利用者数の伸びが大きいとのことです。
また、利用者がもっとも多いのが20代で、30代や40代も多くの人が日常的にSNSを利用しています。わかりやすいように、年代ごとの利用割合を以下にまとめました。
上記の数字から、幅広い世代で非常に多くの人がSNSを利用していることがわかります。
このことから、企業がSNSを活用すると、これだけ多くの消費者に自社商品やブランドを知ってもらうためのきっかけ作りができるということになります。
また、今のSNSでは、個人が好きなものを発信して楽しむだけでなく、商品を購入する際の情報収集としても使われています。
消費者は常に損しない方法を探しているため、ほかのユーザーが発信している口コミは購買行動に大きく影響するのも事実。
今の消費者の購買行動に合わせたECサイト運営を目指すのであれば、SNS運用は不可欠といっても過言ではありません。
ECサイト運営にSNSを活用するメリット
今の時代に合わせたEC運営に欠かせないSNSですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、ECサイト運営にSNSを活用するメリットを4つ紹介します。
集客手段になる
これほど多くの人が集まるSNSで自社商品をアピールすることは、新規顧客の獲得に大いに期待できます。
SNSで発信し続けることで、自社商品やECサイトの存在を知らない消費者にも認知してもらう可能性が高まるのは大きなメリットとなります。
また、SNSでは自由にURLを貼れるため、検索エンジン以外からの集客手段にもなります。
新商品や期間限定のおすすめ商品を紹介したりと、ECサイトへの導線が作りやすいところもポイントです。
リピート購入の促進ができる
企業の売上維持や売上アップに欠かせないのが、既存顧客のリピート購入です。「リピート顧客を大切にする」という戦略において、SNS活用は非常に有効です。
たとえば、公式アカウントからクーポンの配布やセール情報などを発信すれば、フォローしてくれているユーザーへの購買促進になるでしょう。
また、「フォロー&リツイート」や「ハッシュタグを付けた投稿」でプレゼントを贈呈するキャンペーン企画の実施など、低コストで拡散力を高めてリピーターを増やすことができるのもSNS特有のメリットです。
顧客ロイヤリティを高められる
SNS最大の特徴ともいえるのが、企業と消費者が直接コミュニケーションできることです。
これまで商品やカスタマーサービスを通じてしか繋がれなかった双方は、SNS上で気軽に会話できるようになりました。
たとえば、投稿についたコメントへの返答や、質問への対応など。消費者は企業とコミュニケーションをとることで、ブランドや商品に愛着を抱きやすい傾向にあります。
また、SNSを通じて消費者1人1人の顧客ロイヤリティを高めることで、根強いファンを作ることも可能になります。
ブランディングできる
SNSでは、自社ECサイトのようにデザインをカスタマイズすることはできません。
しかし、投稿の画像や文章、さらにユーザーとのコミュニケーションの取り方によって、ブランドイメージを作り上げることができます。
投稿内容はもちろんですが、フォロワーの多さや質なども1つの評価ポイントとなります。そのため公式アカウントを運用する際は、しっかりと体制を整えて戦略を立てていくことが重要です。
ECサイト運営にSNSを活用するデメリット
メリットの多いSNSですが、一方でデメリットもあります。いざ公式アカウントを運用し始めて、「思っていたのとは違う……。」とならないように、デメリットも知っておきましょう。
効果を得るまでに時間がかかる
SNSは運用開始のハードルが低い一方で、すぐに効果がでるものではありません。
すでに多くの人が知っているブランドや商品であれば、公式アカウントの開設が話題になり、フォロワーが一気に増えることもあるでしょう。
しかし、多くの場合は効果を得るまでに地道な作業が必要です。
「SNSを始めれば、すぐに集客できるだろう」と思っていると、なかなか効果が現れないことにモヤモヤするかもしれません。
最初からSNS運用は時間がかかるものという考えのもと、1つずつ着実に積み重ねていく意識が大切です。
更新し続けなければならない
SNSの性質上、フレッシュな話題や新しい情報の提供が欠かせません。
日々SNSで新しい情報を投稿するとなれば、そのための人材も必要となります。
投稿内容にあわせた文章を考えたり画像を用意したりすることは、思っている以上に手間と時間がかかるもの。
また、フォロワーが多いことと売上が上がることは、必ずしもイコールではありません。
購入につながる消費者に向けて、いかに興味を引く投稿を続けられるかが重要なカギとなります。
炎上する可能性もある
今やインターネットの影響力は、非常に大きなものとなっています。
とくに拡散力が高いSNSでは、一度のミスが取り返しのつかないことになりかねません。
わざとではなくても、運営側の何気ない一言や誤解を生むメッセージなど、思わぬところで炎上する可能性もあります。
SNSでの炎上は企業全体のイメージダウンにつながる危険性もあり、投稿やコメント内容には十分注意しなければなりません。
ECサイト運営に活用できる代表的なSNS
各SNSにはそれぞれ特徴があり、選び方や運営方法によって効果がでる・でないは大きく分かれます。ここでは、ECサイト運営に活用しやすいSNSを4つ紹介します。
数年前に「インスタ映え」が流行となったInstagram。20代〜40代のユーザーが多く、とくにアパレルや雑貨、食料品、化粧品などの商材との相性がよいSNSです。
画像や動画の投稿がメインで、視覚的に訴えやすいのが大きな特徴・拡散力はあまり高くありませんが、画像から商品購入ページに遷移できる機能があるので、カタログのような使い方もできます。
また、ライブ配信機能を使えば、リアルタイムでコミュニケーションが取れるなど、機能性も充実。
画像の印象によってアカウントの世界観が作られるため、ECサイトとかけ離れないようにブランディングしていくことが大切です。
拡散力のもっとも高いSNSといえるのが、Twitterです。140文字のなかで自由に文章を書くことができ、画像やリンクの添付も可能。
RT(リツイート)と呼ばれる機能を使えば、誰でも簡単に情報をシェアできます。
Twitterはおもに10代〜50代の幅広い年代が利用しており、ターゲットに合わせた認知拡大効果に期待できます。
とくに注目を集めやすいのが、企業公式アカウントのキャンペーン企画です。
「フォロー&シェアで100名様にプレゼント」
「フォロー&特定のハッシュタグを付けて投稿でプレゼント贈呈」
など、ユーザーに何か当たるかも?と思わせることで、消費者の注目を集めつつ拡散も狙える手法です。
FacebookがほかのSNSと大きく異なる点は、ユーザーが本名でアカウント登録していることです。
本名で登録していることで、匿名投稿が可能なSNSと比べて炎上しにくいというメリットがあります。
Facebookを活用している年齢層は30代がもっとも多く、次いで40代、20代となっています。
また、長文での投稿も可能で、商品やサービスの説明がしっかりできる点も企業アカウントにとって嬉しいポイント。
Twitterのようなシェア機能はなく、拡散力があまり高いとはいえませんが、既存顧客とのつながりを大切にしたい企業向けとなっています。
LINE
個人間のコミュニケーションツールとして広く活用されているLINE。
「LINE公式アカウント」や「LINEショッピング」「LINE広告」などの活用により、ECサイトへの集客効果に期待できます。
日常の連絡ツールとして使っている人も多く、メッセージの開封率が高いことも特徴。
個人間でのやりとりがメインとなるため、よりターゲットを意識したアプローチが可能です。
クーポン配布やキャンペーンのお知らせなど、リピーターへの購買促進にも活用しやすいSNSとなっています。
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ECサイトの売上アップが目指せるSNS活用方法7つ
SNS運用を始めた企業は多いものの、うまく活用できず伸び悩んでいるケースも少なくありません。しかし、貴重なリソースを注力するのであれば、しっかり成果を出したいもの。
ここでは、ECサイトの売上アップにつながるSNS活用方法を7つ紹介します。
活用方法①SNS広告を配信する
SNS広告とは、各SNS内で配信される広告のことです。
ほかのユーザーの投稿に紛れて自然な形で広告が表示されるため、受け入れられやすい傾向にあります。
テレビCMや雑誌広告のように高額なコストもかからず、低予算でプロモーションできる点も魅力の1つです。
また、SNSが保有するビッグデータから配信先のターゲットを絞り、親和性の高いユーザーのみに広告が表示されるため、費用対効果が高いのも特徴。
なお、それぞれのSNSはユーザーの年齢や属性が異なるため、ターゲットに合わせたSNSを選び、SNS広告を配信する必要があります。
活用方法②インフルエンサーマーケティングをおこなう
インフルエンサーマーケティングとは、フォロワーが多く影響力のあるインフルエンサーに自社商品をPRしてもらい、消費者の購買行動を促進する手法のことです。
インフルエンサーには「この人が勧めるなら買ってみよう」と思わせる訴求力があり、フォロワーが多いほど影響力も高まります。
また商品提供だけでなく、有名インフルエンサーとのコラボ商品を企画・開発するのもよいでしょう。
インフルエンサーにはすでに濃いファンが定着していることも多く、起用することの効果は高いと考えられます。
ただしインフルエンサーが炎上すると自社にも飛び火する可能性もあるため、インフルエンサー選びは慎重におこなわなければなりません。
活用方法③SNS内の検索対策をおこなう
最近では若年層を中心に、ハッシュタグ検索の「タグる」や、Instagramの発見タブから検索する「タブる」での情報収集をおこなう人が増えています。
これらの検索方法は、意図的に何かの情報を得たいときに利用されるため、購買意欲が高い傾向にあります。
たとえば、自社アカウントからの投稿に使うハッシュタグを決めておいたり、ユーザーに「自社商品を使った口コミ投稿の際には#〇〇をつけてください」と促したりして、SNS内での検索に引っかかるように工夫してみましょう。
活用方法④UGCを有効活用する
UGCとは、「User Generated Contents」の略で、一般ユーザーが生成するコンテンツのことを指します。
簡単に言い換えると、ユーザー自身が作成して投稿する画像や文章のことです。
消費者目線での意見や口コミは、ほかのユーザーへの「リアルな声」として信頼されやすい傾向にあります。
SNS広告を含むデジタル広告にも優れた点はありますが、発信する側と受け取る側にズレが生じると、嫌悪感さえ抱かせることになります。
そこで注目を集めるのが、消費者の生の声であるUGCです。
ECサイトやLPにUGCを掲載することで、購入者の口コミやレビュー、使用している画像を自然な形でアピールできるようになります。
活用方法⑤ショッピング機能を導入する
Instagramの通常投稿では、URLを掲載しても文字列が表示されるだけでリンク先に飛ぶことはできません。
そこで、投稿されている画像と商品ページを紐付けられる、ショッピング機能を活用するのがおすすめです。
ショッピング機能を導入すると、ユーザーは気になった商品画像をタップするだけで商品のページへ移動できるため、シームレスな導線が作れるようになります。
なお、Instagramのショッピング機能はビジネスアカウントを作成すると無料で利用できますが、条件をクリアしたうえで審査に通る必要があります。
活用方法⑥ライブ配信機能を活用する
多くのSNSではライブ配信機能が備わっており、ユーザーとリアルタイムに接することができます。
実店舗やライブ配信用のスペースから、SNS運用の「中の人」が直接商品を紹介するなど、ちょっとしたイベントを開催してみましょう。
ライブ配信を定期的に開催することで、ユーザーとの距離を縮める効果にも期待できます。
配信前に何日の何時に実施するかを告知しておき、1人でも多くのユーザーに見てもらうように準備しておくとよいでしょう。
活用方法⑦SNS運用代行を利用するのもあり
SNS運用は、片手間でおこなってうまくいくものではありません。
社内のリソースを十分に割けない場合、ほかの業務を圧迫してしまう可能性もあります。
また、初めてのSNS運用ではノウハウがなく、担当者はゼロからのスタートとなります。
そこで自社の代わりにSNSを運用してくれる代行業者を利用するのも1つの方法です。
運用代行にはこれまで培ったノウハウが蓄積されており、自社の社員を教育する必要がありません。
また、効果的なSNSマーケティングにより成果が早くでることも多く、自社でリソースを割くよりも低コストで済むケースもあります。
ECサイト運営でのSNS活用で気をつけるポイント
ECサイト運営におけるSNS活用には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
ここでは、SNS活用で注意しておきたいポイントを4つ紹介します。
1対1のコミュニケーションを大切にする
SNSでは、1対1のコミュニケーションを大切にしましょう。
不特定多数への拡散力が高いことはSNSのメリットですが、画面の向こう側で見ているのは1人1人の消費者です。
どのようなコメントにも丁寧に対応することで、消費者へのイメージがよくなるはずです。
SNSで消費者と良好な関係性を築くことで、少しずつファンを増やしていけるでしょう。
長期的な目線で運用する
SNSを活用し始めてすぐに効果が出なくても、諦めずに継続しましょう。
ユーザーとの信頼関係の構築や、商品やブランドの認知拡大には長い時間を要する可能性もあります。
しかし、SNS運用では現状を分析して仮説検証をおこない、ユーザーの反応をみて少しずつ改善していくことが大切です。
運用方法に迷ったら、競合アカウントの投稿頻度や投稿時間、投稿の内容などを参考にするのもよいでしょう。
ITリテラシーを高める
SNS運用の担当になるスタッフは、ITリテラシーやSNSリテラシーを高めておきましょう。
「情報の取捨選択ができない」「不適切な発言をしてしまう」などの多くは、ITリテラシーが低いことによって引き起こされます。
さらに、ITリテラシーの低さは重要な情報漏えいのリスクもあります。
社内でソーシャルメディアポリシーを策定するなど、スタッフとSNSの関わり方を具体的に決めておくようにしましょう。
炎上対策を整備しておく
SNSでは一度投稿した情報を完全に消し去ることは難しいため、トラブルが起きないように対策することが重要です。
そこで、SNS担当になるスタッフに教育プログラムを実施したり、ダブルチェック・トリプルチェックができる体制を整えたりと、十分な対策を整備しておきましょう。
ただし、どれだけ気をつけていたとしても、炎上してしまうこともあるかもしれません。
そこで万が一、炎上したときを想定して「炎上対策マニュアル」の用意や、炎上対策サービスの利用も検討しておくとよいでしょう。
まとめ
利用者の多いSNSには、潜在的な顧客が多くいることが見込まれます。
しかし、公式アカウントを開設しても、思うようにフォロワーが増えなかったり、売上につながらなかったりと、伸び悩む企業が多いのも事実です。
SNSでは、効果の出そうな方法を試したり改善を繰り返したりと、試行錯誤していくことが大切です。
今回紹介した内容を参考に、企業のECサイト運営にSNSを活用して、認知度向上や売上アップを目指しましょう。