ECサイトをフルスクラッチで構築するメリットとは?

2023.05.22(月)
コラム
ECサイトをフルスクラッチで構築するメリットとは?
この記事は約10分で読めます。

ECサイトに代表されるWebサイトを構築する方法には、WordPressを利用したり、既存のWebサイト構築サービスを利用したりと様々な方法があります。
その中でも、カスタマイズ性が高いWebサイトを構築するための方法として「フルスクラッチ」という構築方法があります。

「フルスクラッチってそもそも何なのか?」
「わざわざフルスクラッチでECサイトを構築するメリットはあるのか?」

ECサイトをフルスクラッチで構築すると聞くと、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ECサイトをフルスクラッチで構築するメリットに焦点をあてて、以下の7つの項目で、フルスクラッチで構築するECサイトについて詳しく解説していきます。
ECサイトの構築方法で悩んでいる方は是非参考にしてください。

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ECサイトをフルスクラッチで構築するとは?

「フルスクラッチでECサイトを構築する」とは、プログラムを一から組み立てて独自にECサイトを構築することを指します。
自社で開発したプログラムをもとにECサイトの構築を進めるため、カスタマイズ性が高く、独自の機能やデザインを実装することができます。

ECサイトを構築する方法には、フルスクラッチのほかに主に以下の3つの方法があります。

  • ECサイト作成サービスを利用する
  • ECモールを利用する
  • CMSをカスタマイズする

その1:ECサイト作成サービスを利用する

ECサイト作成サービスとは、既存のプラットフォーム内で簡単にショップを出店できるサービスです。
ECサイト作成サービスを利用することで、プログラミングの知識がなくても誰でも簡単にECを構築することができます。

しかし他社が提供しているプラットフォーム内に出店するため、簡単に出店はできるものの、自社のシステムと連携しにくいというデメリットがあります。

その2:ECモールを利用する

代表的なECモールとして、Amazonや楽天が知られています。
ECモールを利用することで、もとより集客力のあるECモールに自社のショップを出店することができ、出店初期でもある程度の売り上げが見込めます。

しかしECモールには様々なショップが出店をしているため、自社の独自性を出しにくいというデメリットがあるのです。

その3:CMSをカスタマイズする

WordPressに代表されるCMS(Content Management System)とは、Webサイトの管理を行うためのシステムのことです。
CMSを利用することで、サイトの構築だけでなく、Webサイトの更新やコンテンツの管理が簡単にできるようになります。

また、CMSにはECサイト向けのカスタマイズ性の高いプラグインが用意されているため、ほかの2つの方法と比べて自由度の高いECサイトを構築することができます。

しかし、ECサイトのカスタマイズにはHTMLやCSSのコーディング知識やPHPなどのプログラミング知識が必要となることがデメリットとして挙げられます。

フルスクラッチで構築しているECサイトの事例

フルスクラッチの他にECサイトを構築する方法について説明しました。
フルスクラッチは4つの構築方法の中でも最もカスタマイズ性が高く、独自の機能やデザインを実装することができるECサイト構築方法なのです。

実際に以下の3つのサイトがフルスクラッチで構築されたECサイトとして知られています。

  • ユニクロ
  • 無印良品
  • ヨドバシカメラ

それぞれについて詳しく解説していきます。

その1:ユニクロ

その1:ユニクロ

出典:https://www.uniqlo.com/jp/ja/

一つ目は日本を代表するアパレルブランドである「ユニクロ」です。
ユニクロは店舗販売だけでなく、ECサイトでの売り上げも高いことで知られています。

特にECサイトの需要が高まったコロナ禍では1,000億円を超える売り上げを記録し、ユニクロのECサイト売り上げが高い一つの要因がフルスクラッチ構築によって独自機能が実装されている点にあります。

ECサイトで実店舗の在庫が確認できたり、店舗で受け取れたりする機能や、バーチャルでの着こなし発見アプリのような機能は、フルスクラッチでECサイトを構築しているからこそ導入できたといえるでしょう。

その2:無印良品

その2:無印良品

出典:https://www.muji.com/jp/ja/store

無印良品はシンプルでミニマルなデザインと、高品質な商品をリーズナブルな価格で提供することで知られている小売企業です。
無印良品は世界各地に店舗を構え、その商品はオンラインでも購入することができますが、そのオンラインサイトはフルスクラッチで構築されています。
無印良品のECサイトがフルスクラッチサイトであるがゆえに、店舗とサイトをつなげるような独自サービスや機能が追加できています。
例として、店舗に訪れてユーザーがマイルをためることで、お得に買いものができるクーポンがもらえる「MUJIパスポート」が独自サービスとして提供されています。

またバーコードを提示するだけで買い物を完了することができる「MUJI passport Pay」という独自決済システムも提供されています。

その3:ヨドバシカメラ

その3:ヨドバシカメラ

出典:https://www.yodobashi.com/

ヨドバシカメラは、カメラ、家電、パソコンなど幅広い商品を取り扱っている日本の大手家電量販店です。
ヨドバシカメラの自社サイトもフルスクラッチで開発されています。

様々な家電量販店が存在する中で、ヨドバシカメラがECサイトでトップを走り続けることができている理由はフルスクラッチ開発であるからだと考えられます。
圧倒的な品ぞろえ商品数の多さや、配送料の無料や配送時間の速さは自社でサイトを開発しているがゆえに実現することができているサービスであるといえるでしょう。

また、ECサイトで商品を確認して、店舗に誘導するオムニチャンネル化の成功やポイントによるリピーターの獲得も自社開発ならでは追加できている機能なのです。

ECサイトをフルスクラッチで構築する3つのメリットとは

ECサイトをフルスクラッチで構築する方法の基礎的な知識と、ほかの構築方法との違いを解説しました。
自社でわざわざプログラムを組む「フルスクラッチ」で、ECサイトを構築するメリットは何なのでしょうか。

フルスクラッチでECサイトを構築するメリットとして、以下の3つをあげることができます。

  • カスタマイズ性が高い
  • システムの仕組みを理解しやすい
  • 改善や最適化がしやすい

それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

メリット1:カスタマイズ性が高い

フルスクラッチでECサイトを構築する最大のメリットとして、自由度が高く、独自の機能やデザインを実装することが挙げられます。
フルスクラッチによる構築では、プログラムを一から書きなおして独自にサイトを構築するため、機能の追加やデザインの実装を自社の希望通りに行うことができるのです。

例えば、アパレルや化粧品など季節による流行が激しい商品を扱うECサイトでは、季節限定のキャンペーンやセールなど様々なイベントを設けたい場合があるかと思います。
フルスクラッチで構築を行っていると、様々なイベントに合わせて機能やデザインを自由に変えることができ、他社のECサイトとより大きな差別化ができるのです。

また、必要な機能を自由に追加できるだけでなく、不要となった機能を自由に削除することもできます。
ECサイトを運営していく過程で必要ではなくなった機能を見つけ、削除することは運営のスムーズ化とコストカットにもつながるのです。

その2:システムの仕組みを理解しやすい

フルスクラッチでECサイトを構築することは、自社の人材がプログラムコードを書くことになるため、社内でシステムの仕組みを簡単に理解することができます。
システムを自社で理解していることは以下の2つの点で、ECサイト運営に有利に役立ちます。

  • セキュリティの強化
  • 拡張機能の追加

ECサイトでは、決済情報や住所などの個人情報をとりあつかうことになるため、セキュリティには最新の注意を払う必要があります。
フルスクラッチでは、一からプログラムをくみ上げるため、そもそも自社が求めるセキュリティレベルの実現が可能です。
その上、システムの仕組みを理解していると、脆弱性が発見された際の原因の発生や対応が早くなります。

また、ECサイトの運営を便利にするためには、CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)などのツールを追加する必要があります。
システムの仕組みが理解できていると、ツールの追加をスムーズにそして自由自在に追加することができるようになるのです。

その3:改善や最適化がしやすい

アパレルや化粧品など季節や時期によって激しくトレンドが変化する傾向がある商品を扱うECサイトは数多く存在しています。
そのような商品を扱うECサイトは、ECサイトを運営していくうえで、ユーザーのニーズやトレンドに合わせて常に改善し、最適化していくことが必要になります。

ECサイトを改善し、最適化していくために必要なことはユーザーの購買データや訪問データを分析することから始まります。
フルスクラッチでECサイトを構築すると自社のECサイトに最適なマーケティングシステムや分析ツールを導入でき、販売と分析を一貫して行うことができます。

したがって分析、改善をスムーズに行うことができるようになり、ユーザーのニーズに合わせて素早く、的確に対応することができるようになるのです。

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ECサイトをフルスクラッチで構築する際の2つの注意点

フルスクラッチでECサイトを構築するメリットについて解説してきましたが、以下の2つの注意点があることには気をつけなければいけません。

  • ECサイト完成までに時間がかかる
  • ECサイトの構築時に様々なコストがかかる

注意点1:ECサイト完成までに時間がかかる

フルスクラッチでECサイトを構築する際は、一からプログラムを組み立てて開発をすることになります。
フルスクラッチはサイトのカスタマイズ性が高くなるのですが、その分デザインや機能に関して細かく事前に要件定義しなければなりません。
具体的に要件定義では、ECサイトで提供する商品やサービス、必要な機能、デザインやUI/UX、運用やメンテナンスに必要なことなどを算出することになります。

したがって、どのような機能を追加したらいいのかの事前調査や、細かなデザインの設定など開発の細かな部分で時間がかかってしまうのです。
ECサイトを今すぐに始めたい場合はフルスクラッチでのサイト構築を検討するべきではないといえるでしょう。

注意点2:ECサイトの構築時に様々なコストがかかる

ECサイトの構築に関しては、一般的に機能や規模、デザインにこだわるほど費用が高くなります。
フルスクラッチで構築されるサイトは基本的に規模が大きく、デザインや機能にこだわるこことなるため、ほかの構築方法と比べて初期費用が多くかかるのです。
具体的には一般的に500万円以上、より大きな規模のECサイトとなると数千万円から数億円以上開発に必要であるといわれています。

また、フルスクラッチでECサイトを構築するためには、自社でECサイトのシステムやセキュリティに関して詳しい、高度な技術を持つ人材を抱え込む必要があります。
さらに初期費用が多くかかる分、費用の見積や潜在ユーザーの予想など、事前マーケティングや、自社のデータを分析する能力がある高度なビジネススキルを持つ人材も必要になります。

このような高度な人材が自社で不足している場合、人材を雇うのには大きな人件費が必要になるのです。

フルスクラッチでECサイトを構築するのに向いている2つのケース

フルスクラッチでECサイトを構築する方法について解説してきましたが、どのようなECサイトがフルスクラッチに向いているのでしょうか。
以下の2つの特徴に該当するECサイトを運営したいと考えている場合、フルスクラッチによる構築が向いているといえます。

  • 予算や時間に余裕がある場合
  • ECサイトを長期的に運用したい場合

それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

ケース1:予算や時間に余裕がある場合

フルスクラッチによるECサイトの構築では、一からサイトの機能すべてを定義する必要があるため、どうしてもほかの構築方法と比べて予算や時間が必要となります。
したがって、ECサイトの計画からローンチまである程度時間的な余裕があり、様々なサイトデザインや機能にコストをかけられる場合はフルスクラッチ開発が適しています。

ケース2:ECサイトを長期的に運用したい場合

フルスクラッチで構築するメリットとして、自社のECサイトのシステムを理解しやすくなることを挙げました。
システムを理解しやすくなることで、セキュリティを高めることができECサイトを長期的に運用することができるようになるのに役立ちます。

また、ECサイトを長期的に運用することは、コスト面でも有利に働きます。
システムを理解しやすくなるとECサイトの運用やメンテナンスがスムーズに行えるようになるため、長期的にみるとコストを抑えることができるのです。

ECサイトをフルスクラッチで構築する際の3つのコツ

ECサイトをフルスクラッチで構築する際には、高度なスキルや技術が必要とされるため、サイト制作は非常に複雑な作業となります。
そのため以下の3つのコツを押さえておくことがサイト構築をスムーズに行うのに役立ちます。

  • ユーザーニーズを明確にする
  • サイトマップを作成する
  • デザインを考慮する

それぞれのコツについて詳しく解説していきます。

その1:ユーザーニーズを明確にする

ECサイトを構築する前に、サイトを利用するユーザーのニーズや、どのような目的でサイトへ訪問するのか、サイトの使い方を明確にすることが重要です。

例えば、対象とする年齢層や地域、購入意向の強い商品やサービスの種類などを細かく把握することで、サイトのコンテンツや機能、デザインを適切に設計できるようになります。

その2:サイトマップを作成する

サイトマップは、サイト内のコンテンツやページを把握するためのツールです。
サイトマップを作成することで、サイトのフローや構造を見直し、必要なコンテンツやページを決めることができます。

また、サイトマップを作成して、適切なサイト構成を決めることは、高いパフォーマンスを出すためにも重要です。
ECサイトで多くのユーザーに商品を購入してもらうためには、検索ボタンや購入・決済ページをユーザーの導線を考慮して配置することが重要になるのです。

その3:デザインを考慮する

ECサイトは、ユーザーが商品やサービスを購入するためのプラットフォームであるだけでなく、ブランドや企業のイメージを伝える場でもあります。

そのため、細かいデザインまで考えてECサイトを構築できるフルスクラッチでは、デザインにこだわることが特に重要です。

サイトのデザインを考慮するとともに、ユーザーがサイトを利用しやすいようにも考えるようにしましょう。

まとめ

この記事では、まずECサイトをフルスクラッチで構築するとはどういうことなのか、ほかの構築方法と比較して基礎知識を解説しました。
そしてECサイトをフルスクラッチで構築するメリット、向いているケース、構築する際のコツまで詳しく解説してきました。
フルスクラッチで一からサイトを構築することで、他社と差別化できるような独自の機能やサービスを兼ね備えたECサイトを作り出すことができます。
また、ECサイトを構築する過程でシステムの仕組みをよく理解することができ、セキュリティの向上や、サイトの改善・最適化にも役立ちます。

しかし、フルスクラッチによる開発には時間と予算的な余裕、そして一からサイトを構築できるスキルを持つ高度な人材が必要となります。

したがってフルスクラッチによるECサイトの開発に向いているのは、大企業が始める大規模のECサイトの開発に向いているといえるでしょう。
フルスクラッチによるECサイトの開発を検討している方は、今一度自社のサイトがフルスクラッチで開発する必要があるのか見直してみてはいかがでしょうか。

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