【完全ガイド】そもそもECサイトとは?種類や機能、運営方法を分かりやすく解説

2022.11.10(木)
コラム
【完全ガイド】そもそもECサイトとは?種類や機能、運営方法を分かりやすく解説
この記事は約12分で読めます。

近年、新しい生活様式へ対応を求められ、自宅でも気軽にオンライン上でお買い物ができる「ECサイト」を利用するユーザーが急激に増えてきました。
その分、直接店舗に行きお買い物をする人が減っており、危機感を持った企業がEC事業に参入する動きが増え続けています。

今回はそのEC事業をお考え方に、ECサイトとはどういうものなのか詳しくご説明していきます。

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そもそもECサイトとは

そもそもECサイトとは

ネットに詳しくない方からすると「ECサイト」という言葉自体、聞き馴染みがないことが多いかと思います。
ECサイトとはelectronic commerce site(エレクトニックコマースサイト)の略になっており、インターネット上で商品を販売・購入できるWebサイトのことを指します。
他にも「ネットショップ」や「オンラインショップ」など、様々な言い方がありますが総称して「ECサイト」と呼ばれています。

ECサイトは店舗と違い、営業時間や定休日などが無く「いつでも・どこでも」商品を販売・購入できることから、近年の生活様式にマッチしているといえます。
もちろん時差も関係なく、世界中の国に販売が可能になっていることで、海外へ販路を拡大する企業も増えてきています。

現在のECサイト市場

経済産業省のデータによると日本のEC事業の市場規模は拡大傾向にあり、その成長率も年々増加しています。
2021年のBtoC(企業と一般消費者の取引)EC市場規模は20兆6,950億円にのぼり、伸長率は前年度と比べ7.35%増でした。
また、EC市場規模を分野別にみると、下表のとおりになります。

2019年 2020年 2021年 伸長率
(2021年)
A. 物販系分野 10兆515億円
(EC化率6.76%)
12兆2,333億円
(EC化率8.08%)
13兆2,865億円
(EC化率8.78%)
8.61%
B. サービス系分野 7兆1,672億円 4兆5,832億円 4兆6,424億円 1.29%
C. デジタル系分野 2兆1,422億円 2兆4,614億円 2兆7,661億円 12.38%
総計 19兆3,609億円 19兆2,779億円 20兆6,950億円 7.35%

こちらの背景にあるのは新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出自粛を余儀なくされたことやテレワーク増加により自宅にいる時間が増えたことで、ECサイトの利用率が年々上がっているとみられます。
今後もEC市場は増加すると算出されており、企業側も様々な分野の参入が予測されます。

ECサイトの種類

ECサイトの種類

ECサイトと一言でいっても様々な種類があり、販売方法やメリットなどが変わってきます。
その為、まずターゲットをどこにするのかを決め、そこから予算や運用者のリソースを考え慎重に選んでいきましょう。

ショッピングモール型ECサイト

名前の通り、WEB上のショッピングモールの中に店舗を構えるイメージです。
国内で最も大きいなモールは「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」が挙げられます。
WEBの専門的な知識が無い方でも、少し勉強すれば簡単に店舗を作ることができ、集客もモールがやってくれるので、初心者でも安心です。
ショッピングモール型のメリットや特徴を別の記事でまとめておりますので、ぜひご覧ください。

自社店舗型ECサイト

こちらはショッピングモール型とは違い、WEB上に自分だけの店舗を構えるイメージになります。
自社のブランドを好きなだけ表現でき、ユーザーに対して好きなタイミングで独自のセールが行えるなど自由度が高く、全てが自社の資産になるのが特徴です。

ただECサイトを構築するのに専門的な知識が必要になる場合が多く、集客も自分たちでやらないといけない為、ハードルが高いと思われている方も少なくありません。
その場合は制作会社にサポートしてもらうなど、分からないことを気軽に聞ける環境を整えておくことで解消できます。
軌道に乗ればショッピングモール型以上の収益が見込めるため、検討する価値はあります。

越境ECサイト

越境ECサイトとは、日本国内ではなく海外のユーザーに向けて自社の商品を販売することを目的としたECサイトを指します。
世界中にスマートフォンが普及したことで、外国人が現地に行かずとも欲しいものがECサイトを介して手に入るようになりました。
そしてインバウンド市場が拡大傾向にある今、「メイド・イン・ジャパン」を求める海外のユーザーに対し、ECサイトで商品を販売することに大きなチャンスが広がっています。

越境ECサイトを構築するうえで、注意しないといけないポイントは「翻訳」です。
近年Google翻訳の性能が上がっていますが、現地の消費者からすると少なからず違和感があります。
直接販売できないからこそ、ECサイト上で信用される為にはネイティブな翻訳は必要不可欠です。
翻訳機能に頼らず、翻訳を外部に依頼するなど対策をたてましょう。

クローズ型ECサイト

クローズ型ECサイトとは、他のECサイトの種類でターゲットである一般消費者とは異なり、特定の消費者のみに販売を目的としたECサイトです。
会員制サイトなどがこれに当てはまり、主にBtoB(企業間取引)向けのECサイトで活用されています。
機能としてはサイトにログインしないと商品が閲覧できないなど、限られた会員のみ取引をしたい場合に有効です。

また、最近ではセミクローズド(半クローズド)ECサイトも多くなっております。
一般ユーザーには商品の一部分を公開し、商品の詳細情報は会員のみに公開するサイトや、会員は特別価格で商品を購入できるなど多様性が増してきています。

ECサイトの構築方法

ECサイトの構築方法

次にECサイトの構築方法をお伝え致します。
ショッピングモール型ECサイトは、既に公開されているECサイトの中で商品を販売する為、こちらの構築方法は主に「自社店舗型ECサイト」を構築する際に必要になってきます。
様々な構築方法があり、自由度・構築難易度・費用感が変わってきますので、自社に合った構築方法を選定しましょう。

フルスクラッチ

フルスクラッチとは、既にあるプログラムやソフトウェアを使わず、ゼロの状態からECサイトのシステムを開発する、いわゆる完全オーダーメイドで構築する際に呼ばれています。
最大のメリットとしては、自社でやりたいことを全て叶えられる自由度です。他の構築方法では実装出来ない機能などをフルスクラッチでは対応できる可能性が高いです。
また、完成後も機能の追加がしやすく、自社専用のシステムの為、サービスが終了して使えなくなる心配もありません。

ただ、その分構築の難易度も高く、お断りする制作会社も少なくありません。ECサイトをゼロから開発する為、当然知識・スキルは相当なものが必要になってきます。
ショッピングカート機能はもちろん、決済機能や外部とのシステム連携やセキュリティ面など、あらゆる方面に関するノウハウを持った人材が必要な為、制作会社であれば作れるとは限りません。
また、費用も莫大な金額が掛かってきます。少なく見積もっても数千万はかかることを想定しておきましょう。

オープンソース

オープンソースとは、WEB上に無料で公開されているプログラムを使用してECサイトを構築する方法です。
日本で有名なのは間違いなく「EC-CUBE」です。
ECサイトに必要なカート機能や決済機能など基本機能が備わっており、豊富なプラグインを追加することで機能を拡張させることも可能です。
フルスクラッチと比べ、構築費用も各段に抑えることができ、自由度も比較的に高くなります。

ただその分構築に必要な専門的なスキルが求められ、サポートはありませんのでトラブルがあった際は自分で対処する必要があります。
また無料で公開されている為、セキュリティについても注意が必要です。オープンソースで構築したサイトのみを対象としたウイルスなどもあり標的になりやすい為、十分なセキュリティ対策をおこなっていきましょう。

ASP

ASPとはApplication Service Provider(アプリケーション サービス プロバイダ)の略になっており、インターネット上でECサイトの機能を利用(レンタル)できるサービスです。
基本的にECサイトを構築する場合、専門的な知識やスキルが求められますが、ASPのカートシステムを利用すればサーバーを自社で用意する必要が無く、システムの保守も提供側が行うので必要ありません。
日本で有名なのはCMでよく流れている「BASE」が当てはまります。それ以外にも「Shopify」や「MakeShop」など、ASPサービスが需要に合わせ増えてきています。

最大の特徴はやはり初期費用が安く、短期間でECサイトの構築が可能になる点です。
ASPは一からシステムを構築するのではなく、既に用意されているシステムや機能を利用してECサイトを作り上げていきますので、開発コストが不要になります。
また、月額料金も無料のASPもあり、有料のものでも比較的安価で利用できます。
導入も特別な開発を行う必要が無いため、短期間でECサイトをオープンすることが可能になっています。

デメリットとしてはデザイン性の自由度や機能の拡張性が無いことがよく挙げられています。
デザイン性に関しては、各サービスごとにテンプレート(テーマ)が用意されており、その中からの選択になります。
そのため、自社ブランドの世界観を重視したい場合は、専門的なスキルが必要になるので制作会社に依頼することをオススメします。
機能の拡張性については、基本的に用意された機能しか使えないため、各企業に合わせた個別のカスタマイズが厳しくなります。
また、機能によっては一部有料オプションになる可能性がありますので、追加費用がかかる恐れがあります。

ASPのカートシステムを利用する前に、自社でどんな機能が必要か整理をして、その機能が実現できそうなASPを選びましょう。

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ECサイトに必要な機能

ECサイトに必要な機能

ここではECサイトに必要な機能を紹介します。
これが無いとECサイトとして成り立たない機能から、集客するうえで必要な機能までお伝えしていきます。

商品管理機能

商品管理機能とは、ECサイト上に商品を登録したり、編集したりする機能です。
ただ登録するだけではなく、ユーザーにその場で購入してもらうために商品のサイズや機能性など、より詳細な内容を入れていく必要があります。

また、登録している商品の販売数に応じて在庫数を自動的に管理してくれる機能も備わっています。
登録している在庫数がゼロになると自動的に売り切れ状態になったり、一定の在庫数まで減ると運営側に通知が届くなど、便利な充実しているシステムがオススメです。

決済機能

ECサイトで最終的な目的は、ユーザーに商品の購入手続きを完了してもらうことです。その目的に必要不可欠な機能が決済機能になります。
基本的には「クレジットカード決済」がメインになりますが、最近はPayPayや楽天Payなど「キャッシュレス決済(スマホ決済)」も増えてきています。
他にも一定の需要がある「銀行振込」や「代金引換」も無視はできません。
幅広い決済方法を用意することで利便性が上がり、ユーザーの離脱(かご落ち)を防ぐことができますので売上に大きく関わります。

ただ、全ての決済方法を導入しようとするとECサイト運用が複雑になり、手が回らなくなってしまうのでターゲットに合わせた決済方法の選定が必要です。
決済機能はいつでも追加が可能になりますので、運用に慣れてきたら徐々に追加することをオススメします。

会員登録

ECサイトにおいて、会員登録機能は売上を向上させるうえで重要な役割を持ちます。
自社のECサイトに訪問したユーザーが会員登録をしてくれれば、セールの案内や新商品の告知を継続して伝えることで関係性を深めることができ、ファンの獲得につながります。
更には会員限定のクーポンを配布するなど、会員になることでのメリットを作るとリピート購入率が向上し、売上に直結します。

しかしただ会員登録機能を付けたからといって何もしなければ会員になってもらえる可能性は低いです。
会員登録時の入力項目を簡潔にしたり、GoogleやLINEなど各SNSのアカウントを利用してログインを可能にする「ソーシャルログイン」機能を入れるなどして会員登録のハードルを下げる必要があります。
また初めて会員登録した方限定のクーポンや、会員による会員紹介キャンペーンなど会員登録をしたくなる施策を行うことで効果が更に期待できます。

販促機能

販促機能とはECサイトへユーザーを呼び込み、購入率を上げるために必要な販売促進機能です。
ECサイトで売上を出すための方程式は「ユーザー数×購入率×客単価」になり、この3つ数値が大きければ大きいほど売上アップに繋がります。
数値を上げるためにはユーザーの購買意識を刺激できるかが重要になり、ECサイトの機能で販促施策ができるかが後々売上に大きく関わってきます。

ここではECサイトにおける販促の一例をお伝えします。
まずは購入のハードルを下げるために「送料無料機能」は必要不可欠です。
ユーザーは少しでも安く商品を購入したいと思っている方がほとんどです。そんな方に対して「〇〇円以上ご購入で送料無料」という販促施策を行うと「得をしたい」という心理をかき立てられ、更に商品を購入していただける確率が高くなります。
他にも「レビュー機能」や「メルマガ機能」など販促施策の効果を最大化させる方法は多くあり、ターゲットに合わせて適切なアプローチを選ぶ必要があります。
手作業で販促施策を実施していくのは難しいため、ECサイトの販促機能を有効活用し、売上をアップさせていきましょう。

ECサイトの運営方法

ECサイトの運営方法

ECサイトはオープンしてからがスタートであり一番肝心です。そこでECサイトの運営において必要な業務をご紹介します。
この業務をおろそかにすると、ユーザーが離れてしまいます。たとえインターネット上だとしても、人と人との繋がりが大事になりますので、誠実な対応と心掛けましょう。

注文・受注管理

注文・受注管理とはユーザーからご購入頂いた注文を管理し、その注文に対し出荷の指示などを効率的に行えるシステムです。
注文からユーザーの手元に商品が届くまでの「スピード」と「正確さ」がECサイトの評価へ直接繋がり、どれだけ業務量が増えたり複雑になろうとユーザーには関係ありません。
ミスを最低限に防ぎ、可能な限り素早く出荷することが求められ、これらを注文・受注管理システムによって実現することができます。

実際に注文・受注管理システムでは、ユーザーから注文が入った際に自動的に注文完了メールを送信し、注文内容に間違いが無いか確認をしてもらいます。
その後、商品を出荷(発送)した際にも発送通知メールなど、商品が今どのような状態なのかを購入者に伝えないといけません。
他にも購入された商品の在庫を自動的に減らしたり、キャンセルがあれば返金対応など、これらを手動で行おうとすればミスが発生する確率は間違いなく高くなってきます。
人間が作業をしているのでミスを確実にゼロにはできませんが、ゼロに近づけるためにも注文・受注管理を利用し、効率化をはかりましょう。

顧客対応

ECサイトを運営するうえで、欠かせない業務の1つがユーザーのお問い合わせなどに応じる顧客対応です。
顧客対応をおろそかにしてしまうとユーザーの満足度が下がり、最悪の場合売上に悪影響を及ぼす可能性もでてきます。
逆にユーザーのお問い合わせに対して、素早い対応や丁寧な言葉遣いなど心掛けるだけでもリピーター獲得が期待でき、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。

EC事業でリピーター獲得は新規顧客獲得より各段に難しく、売上を伸ばすためにはリピーターを増やすことが重要なポイントになります。
ユーザーと直接コミュニケーションをとれる貴重な機会になりますので、丁寧な対応をおこない顧客満足度を上げていきましょう。

集客対策

ECサイトは完成したら終わりではありません。むしろここからがスタートになり、ユーザーを自社サイトに呼び込んで商品を購入してもらわないといけなく、集客対策が必要になります。
集客方法は多岐にわたるため、何も考えず手あたり次第おこなってしまうと時間とお金の無駄になってしまう可能性があります。

まず集客方法を選定するために考えないといけないポイントは「ターゲット」です。ターゲットはECサイトを構築する前の段階で必ず明確にしておきましょう。
そのターゲットが類似商品を探す時にどのような行動をとるのか知る必要があります。最近ではInstagramやTikTokなどSNSから商品を知って購入に至るケースが多く、コツコツと続けていくことが売上につながります。
ECサイトの基本的な集客方法を別の記事でまとめておりますので、ぜひご覧ください。

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まとめ

ECサイトについて種類や必要な機能、運営方法を解説しました。最近ではECサイトを簡単に作れるようになり、EC事業に参入するハードルが下がっています。
しかし何も考えず作ってしまうと、売上が上がらず期待した効果が出ない状況をよくお聞きします。構築する前にターゲットをどこに設定するのか、集客はどのようにおこなうか、ECサイト機能は何が必要か事前にプランニングをおこなうことで、本来の目的を達成できるECサイトが出来上がります。

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